トムクルーズといえば、ハリウッドきっての人気俳優。トップガンやミッション・インポッシブルでのかっこいい姿からは想像できませんが、彼は自身でも認めている通り、小さい頃からディスレクシアという病気(?)に悩まされている障害者だというのです。
アインシュタインも抱えていたというそのディスレクシアの症状とはどういうものなのでしょう?
ディスレクシアというのは失読症、難読症、識字障害、(特異的)読字障害、読み書き障害ともいわれ、文字や単語の音と実際の字を繋げられない、または文字の形と実際の意味のつながりがわからないという一種の学習障害。障害であって病気ではないらしいです。
一般的知的能力や理解力に別段劣るところはなく、字を習っているのに読めない、または書けないということでまわりから理解されず、障害者本人は非常に苦労します。
研究によって、ディスレクシアの人は、脳での情報処理の仕方が一般の人と異なることが明らかになってきている。一般の人は脳内の情報を統合する領域で文字を自動処理しているが、ディスレクシアの人々はこの文字処理がスムーズに行えず、通常とは違う脳の働きをしているという。人類が文字を使い始めたのは5千年ほど前からといわれ、脳には文字の読み書きを行う中枢領域は存在せず、他の代替機能を使って文字の読み書きをしている。ディスレクシアの人々は文字が読める大多数の人々とは異なる脳の領域を使っており、そのためスムーズな文字の読み書きが行えないと考えられている。
(引用:Wikipediaディスレクシアより)
特に英語圏で問題とされていて、アメリカでは10~20%の人に何らかのディスレクシアに関わる症状を持っているという調査結果もあるようです。
小さい頃からADHD(注意欠陥・多動性障害)の傾向があったトムクルーズは7歳でディスレクシア(識字障害)と診断されますが、それを隠し通そうと随分苦労したそうです。この障害のせいで虐めにあっていたと本人もインタビューで語っていますが、結果、12年間に15もの学校を転々とすることになったようです。それに、高校までは特別学級に入れられていたとも本人が話しています。
小さい頃からパイロットに憧れていたようですが、大人になってから演技の面白さに虜になり、俳優になることを決意。そんな彼が「トップガン」の主役に抜擢されたことは運命だったのかもしれませんが、それを実現するために影で想像を絶する努力がありました。
字を読めない彼は、俳優になりたての頃はお母さんが、そして有名になってからはアシスタントがセリフを吹き込み、そのテープを聞きながら耳で全セリフを暗記したのです!そうして耳を通して聞いているうちにゆっくり時間をかけて役になりきっていくんだそうです。
トムクルーズがハンサムなのはもちろんですが、一流の俳優として成功した一番の理由は彼が人一倍努力家ということでしょう。
トムクルーズが自ら公表したおかげで知名度の高まり、研究や支援運動も前に比べると盛んになったディスレクシアですが、有名人の中には意外に多いのです。ざっと書き出してみると、
といった人たちがいます。こんなに才能に恵まれた人たちがディスレクシアだなんて信じられませんね!
現在までの研究で、ディスレクシアの人は親族に同じ症状を持つ人が多く、遺伝的な要素が強いと言われています。実際、トムクルーズのお母さんと3人の姉妹全員がディスレクシアだそうです。
ディスレクシアは病気ではなく障害の一種。一般的に知能が低いわけでもなく、理解力が人より劣るわけでもないのに、字が理解できない、書けない、読めないというのは障害者本人にとっては私達が頭で考えるより大変なことでしょう。ここまでをまとめてみると、
ディスレクシアの子供は1語を理解するのに普通の子供の10倍もの時間を要するそうですが、トムクルーズの成功の影には並々ならぬ努力があったことでしょう。そしてスターになってからも努力を重ね、学習障害克服プログラムを実践してついにディスレクシアを克服、なんと念願のパイロットの資格も取ったそうです!
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